君色【完】








すると、男は目を細めながらなにか遠くのものを見る。


「...安藤、颯太?」


......は?なんで俺の名前...。
あぁ、そうか。
カバン開けっ放しだったから、名前が見えたのか。



「...勝手に人の私物見てんじゃねーよ」

「あ、悪ィ...」

「......」

「......」


俺をガン見する目の前の男。


「...なに」

「いや...。...俺、森本 拓人」

「は?」

「......絵梨の...元カレだよな?」

「...」

「全部、絵梨から聞いたよ」

「...あぁ。じゃぁお前が今の彼氏か」

「......まぁ、こう見えてもお前らの1コ上だからさ」