君色【完】







「落ち着け!」

「...っ」


すると男は、さっきまで壁を殴っていた手で俺を殴ろうとした。

目の前から向かってきた拳をなんなく交わし、右手でその拳をとめた。
殴りかかってきた男の拳は、よく見れば血まみれだ。




「......なにしてんだよ」

「...離せっ」



ビクビクと震える拳。

すると、男はいきなり地面に倒れこんだ。




「おい!?」

「......っ」




顔から流れる血。
その血をみてゾッとしながらも、俺は自分の制服で男の血を拭った。