僕、男の子なのです☆








残っているのは信悟と僕だけになった。


「ねぇ、信悟ー僕たちだけだね。」

「だねーなんかさ?」

「「お腹すいたね」」


見事はもってしまった内容に目を合わせてクスリと笑ってしまう。


お腹の虫が鳴りながら順番を待ち続けた。


ピストルが5回鳴ったころ、信悟の出番になった。


「信悟も行っちゃうのー?」


「うん、俺の番だからね」


「そっかー…」


少し寂しくなりしょげているとハハっ…と頭上から笑い声が落ちてきた。


「むー…笑わなくても…」


「ハハっ、ごめんごめん、じゃあさ。セノ」

「なーに?」


首をかしげてみると信悟はまた笑みを深くし白い八重歯を見せた。



「セノが俺を見ててくれるなら、ゴールで待ってるよ」



深めた笑みを少し崩し、少し遠いところを見ながら僕に言う。

少し信悟の様子がおかしいが、多分今は気づかないふりをしたほうがいいような気がした。

だから僕は垂れ下がった信悟の手をキュと掴み「待っててね」と信悟の瞳を除いた。

顔を赤くし、驚いたように目を見開いた信悟はすぐにハハっと笑い「行ってくるね」と僕に背を向けた。


「いってらっしゃい!頑張れ、信悟ゴォー!!」


また振り返って八重歯を見せた信悟はピストルの音と共に駆け抜けて行った。


もちろん、


「ゴール!!!!1位は2-1森本 信悟くんです!!!」


彼は一位だった。





セノside*end