風が切られていくような…
白いテープを切った天理はまるで幼い子供のように笑った。
でも、それは一瞬のことでいつもの色気ある笑みで僕たちの方へ走ってくる。
……何故皆すぐに退場しないんだ??
「セノ、見ててくれたかな?」
「うん、少し意外だったけどね?」
「あー…遅いと思った?」
「ちがっ…」
違う。
その一言が言えなかった。
あの真剣な瞳。幼い子供のような笑顔。
…震えを隠した唇。
「うん」
今は聞かないでおこう。
「はは、本当にそう思われていたんだ。
ショック、けど、慰めてくれるんなr「ハーイ‼ストップ‼」
信悟が間に入ると天理はやれやれと手を挙げ僕たちに「頑張れ」と言って皆の方へ行ってしまった。


