するとシェフは 「危ないでしょう!」と、トラックに叫び 怖い怖い顔で運転手をにらみつけ、私を抱えて横断歩道を走って渡る。 「まったくもう……」 そして 交差点を行き交う自動車の列を見ながら 「いつの間に、こんな余裕のない時代になってしまったのでしょうか」 その遠い目をおやめなさい ゆとり世代過ぎますよ。 「で。質問の答えは?」 怖い顔を継続するシェフの背中を押し、周りの人達の目を気にしながら私達は前に進む。