航平との別れから数週間後―――…。


龍太からの連絡を待つ私に、作本さんが電話をかけてきた。

『龍太と会う前に…君に会って話しておきたいことがあるんだ』

まさか、作本さんから連絡があるとは思わなかった私は、正直、迷った。

どんな話なのか、想像もつかなくて、しかも一度しか会ったことがない人と会うことに―――

だけど

『君にもいずれはわかることだと思うから…龍太に関する話なんだ』



そう言われてしまえば、やっぱり気になって、結局、会うことにした私。



―――――…

「あ、あの…ここって…」

「ん?――…ああ、ごめんね?今、あんまり外出歩けないんだよね」

作本さんが指定した場所は都内でも有名な一流ホテル。

しかも――かなり広い部屋で…もしかしたら…スィートルームじゃないだろうか。

プロのカメラマンって…そんなに儲かっちゃうの!?

落ち着かず、辺りをキョロキョロしていると。

「適当に座ってて。ちょっと残りの仕事仕上げちゃうから」

「あ、すみません。お仕事中なのに…」

「いやいや、呼んだのは俺だからね」

そう言って作本さんは奥の別の部屋に消えた。