「琴葉!」

駅で待っていると彼女は走ってやってきた。

「ごめんね、純菜、急に」

「ううん、大丈夫よ。それより、どうしたの?」

「――…うん」

「…とりあえず、どこかに入ろう」

純菜と近くのファーストフード店に入った。



「そういえば琴葉。宮内と付き合ってるんだって?」

「!!―――知ってたんだ…」

「まあ、ね。同じ学校だし、今はクラスも一緒だし…」

「…そっか」

航平と繋がっている純菜にこんなこと…――

躊躇する私を見破ったかのように

「…龍太のこと?」

そう口を開いた。

ストローをその口に含みながら、ちらりと私を見る。

「あ、えっと…」

「…琴葉が私に話があるっていうと、やっぱり龍太絡みしかないかなって…」

「――…う…ん」

「大丈夫よ。宮内にはなにも言うつもりないし」

「…ごめん」

「それで?なにかあったの?龍太が見つかった…とか?」

「ううん、そういうわけじゃないんだけど…実は昨日――…」


木曜日の彼女、麗美が突然現れたこと、名刺のこと、連絡するべきか、迷っていること

聞いたこと、今、思っていることを全部、純菜に話した。


「――…工藤 麗美って…確かS女学院の…」

「S女学院って…あのお嬢様学校で有名な!?」

「うん。しかも彼女は[レイラ]のモデルもしてるからS女でもかなりの有名人」

[レイラ]といえば、女子中高生の間で大人気のファッション雑誌――そこでモデルをしている。

確かに――そういうオーラみたいなものがあった気がする。

「そんなに有名な人が…龍太の、しかも木曜だけの彼女!?」