「…工藤 麗美――…龍太の木曜日の彼女」

苦々しくそう言ってから一気にコーヒーを飲み干す。

「え!?りゅ、龍太の?」

…木曜日の…彼女?こんな綺麗な人が?

でも――…どうしていきなり私のところに?




「……アイツ、いなくなっちゃったでしょ」

強い意志を持ったような瞳でジッと私を見据える。

「…ええ、まあ」

彼女からのそんな視線から逃れるように俯く。

「あなた…、龍太の居場所…知りたくない?」

「は?」

龍太の―――居場所!?

「知ってるんですか?」

予想外の彼女の言葉に思わず立ち上がる。

「あ、ごめんなさい…」

周囲の視線と彼女の怪訝な顔に恥ずかしさで椅子に座り直す。

「…知ってるとも知らないとも言えないけど」

「…――それって」

どういう意味なんだろう。


すると、彼女は一枚の名刺を取り出して、私の前に置く。

「そこに電話をかけてみれば?…もしかしたら、龍太の居場所…わかるかもよ」

それだけ言うとスッと立ち上がり帰ろうとする彼女を


「ま、待ってください!」

呼び止めていた―――