ガラスの靴をもう一度



「それじゃ、私は戻ります…」

「そうですね。そうしてください」

小さくなって社長室を出る私を、崇史さんは怖い顔で見送ってくれた。

「はぁ~。もう最悪…」

社長室を出て、ため息をつく。

この会社に入ったのは、完全に実力だし、そもそも雅貴には内緒にしていた。

だから、内定の報告をしたら驚いていたくらい。

だけどそんな私の行動を、崇史さんはまるで理解出来ないらしく、私が社長室に行く度に、冷たい視線を送るのだった。

確かに、やり過ぎだと思うけど…。