「えっ!?」 驚いた原田さんは資料を落とした。 その動揺が怪しいけれど、今はどうでもいい。 「理由を聞きたいんじゃないんです。麻生さんに仕事を取られて、嫌じゃないのかなぁって…」 「仕事って?」 ポカンとする原田さんを見ていると、自分が少し恥ずかしい。 第三者から見ると、くだらない事に、こだわっている様に見えるんだろうな。 「資料取りです…」 「ああ。そうよねぇ。でも、仕方ないかなって思って」 「そうですか…」 やっぱり、普通はそう思うんだ。