ガラスの靴をもう一度



「萌?」

戸惑う雅貴は、私をいぶかしげに見た。

「ごめんね。雅貴は着替えてきたら?」

顔を合わせられない。

目を見れない。

私には、まだ雅貴の過去が受け入れられないみたい…。

キッチンへ向かう私の後ろから、雅貴がクローゼットへ入ったのが分かる。

ごめんね、雅貴。

私、どうしたらいいか分からないの。

何もかも初めてだから。

恋の楽しさも苦しみも、感じるのは雅貴が初めてだから…。