「崇史さん、私帰ります。申し訳ないんですが、皆さんに伝えてください」 私の言葉に、崇史さんは頷いた。 「雅貴、心配するだろうな」 「そうですね…。いつだってそうですから」 それは愛情? それとも…。 ベンチを立ち上がり、送ると言われた好意も断って、一人大通りでタクシーを拾った。 雅貴と麻生さんは、きっと恋人同士だったんだと思う。 でも、それは過去に終わった話だよね? そうでしょ?