すると、崇史さんはゆっくりと答えたのだった。 「知ってるよ。あいつは、俺達の後輩だったから。大学のな」 「大学の!?」 そうだったんだ…。 驚きで言葉を失う私に、崇史さんが問いかけてきた。 「萌ちゃんは?何か知ってる事あるのか?」 「何も、ないです。麻生さんが雅貴と知り合いかもって、今日のお昼に聞いたくらいですから…」 そうよ。 そもそも、麻生さんの入社だって、私たち一般職には前日に知らされたくらいなのに…。