ガラスの靴をもう一度



「ねえ?社長」

麻生さんが同意を求めると、我に返った様に「あ、ああ」と返事をしていた。

「そうなんですか?凄いですね!俺、お二人に憧れます」

ニューヨーク勤務を希望する川上くんらしく、二人の経験には興味があるみたい。

だけど、私はというと、言い知れぬ不安が胸に広がっていた。

アメリカの時の知り合い…。

私が知らない6年の間に、間違いなく雅貴と麻生さんは知り合っていたんだ…。

二人は、どういう関係?

ただの友達?

それとも…。