「えっ!?いいよ、私は」 雅貴に挨拶とか、落とし穴だった。 「いいわけないよ。少し席移動すれば、緊張もほぐれるから」 半ば強引に手を取られ、雅貴と麻生さんの席へ連れて行かれた。 いや~! あの日以来、ここで初めて顔を合わせるのに。 ましてや、川上くんと一緒だなんてマズ過ぎる。 だけど、そんな事情をしる由もない川上くんは、私の手を握ったまま雅貴に声をかけたのだった。 「社長、お疲れ様です」