「そういえば、絹江さんが倒れているのを見つけた時なんだがな…」

パパはためらいがちに話を続けた。

「絹江さんは階段の下に倒れてたんだが、階段の上の天井近くを、黒い影のようなものが飛び回ってたんだよ。
まー、今にして思えば自分の影が映ってただけかもしれんが。
あの時はコロのやつが復讐のためにバケモノになって帰ってきたんじゃないかなんて考えちまったな」

ママが顔をしかめ、パパは照れ隠しに笑う。