ふざけんな。


俺の連絡全部無視して自分は合コンなんかに行きやがって。


なんとしてでも今日こそは話を聞いてもらう。







「とは言え……」

「なーんか、参ってるねぇ、櫻センセー?」


学校の屋上。


宮藤さんの喫煙に付き合って、空気の悪い職員室から逃げてきたのだ。



職員室には泉野が待ち構えているし、ウザいことこの上ない。



「泉野先生、元カノだって?安藤が言ってた」

「……ヨリ戻したいって煩くて。どーにかなんないですかねぇ……」



最早出るのは溜め息だけ。

にっちもさっちもいかなくなって、思わず頭を掻き毟った。


「それは良いけどさぁ……。華音の出席日数がここ一週間ぐらいヤバいって、鎌崎がぼやいてた。鎌崎はホラ、華音の担任だから」

「……何、それ……?」



あいつ、学校にも行ってねーのか!?


「なんか、平日の昼間から凱の店に遊びに行ったりしてるらしいな。自暴自棄もほどほどにしとかないと、ねぇ……?」




宮藤さんは無言で俺の様子を窺った。


「……今日、一緒にあいつんとこ着いてきて貰えませんかね?このままじゃ、あいつを潰しちまう」



切羽詰まった俺は宮藤さんに懇願した。


「……ま、いいけど。あ、あとさ。泉野先生の前の赴任先での話、聞きたい?」


泉野の前の赴任先での話?


「そんなもんどうでもいいです」


俺がそう言うと、宮藤さんは「まあまあ聞きな」と言って、泉野の過去を語り始めた。





話を聞き終わると、気分が悪くなって思わず吐きたくなった。


………そんな事で、俺と華音の間を割こうとしてたのか。



許される事じゃねーだろ。