深層融解self‐tormenting

もしかしてコイツ、この交際の事をネタに俺をどうにかしようとしてないか?


そう思ったから、華音には可哀想だがわざと冷たい態度をとって追い返した。


とりあえず、泉野の話を聞いてから対処法を考えようと。



予想通り、泉野は「ヨリを戻したい」と言ってきた。


だが、華音を裏切る気など毛頭無い俺はそれを突っぱねた。


そうすると、泉野が今度はとんでもない事を言い出した。


「……蒼季には何も危害を加えようとは思ってないよ。だけど彼女……。援交になるんじゃない?私が密告したら。教委に言ってもいいよ?」

「証拠がねーだろ」

「いくらでも作れるよ?どうするの?」


どうするって何を?泉野と付き合えってか。

冗談じゃない、コイツこんなオンナだったのか。

それでもまだ序の口で、後になって知ったのだが、実は俺がいない間に、華音にコイツは出鱈目を教えていたらしい。





コイツ、今までもこうして自分にとって邪魔なオンナは消してきたのか。


だとすれば、とんでもねぇ女狐だ。


見抜けなかった俺も間抜けだが。

にしても、そんな事までしておきながら、俺の気持ちが自分に向くなんて考えてるなら、この女はどうしようもない馬鹿だろ。