力一杯抱き締められて、益々肺が苦しくなった。

「ちょ、苦しい」

「溺れたかと思っただろ!心配した……」


先生が苦しそうな目をしている。



だから。

「心配、ないよ?私は大丈夫。プールの底、すごく綺麗だった。今度の冬は、あれ見に行こうよ」

「あれって何だよ?」



それでもまだ私を離そうとしない先生に「雪に光が当たって、キラキラ光るやつ」と言ったら、「……ダイヤモンドダスト?」という答えが返ってきた。



「どこで見れるの?」

「スキー場。冬に行くか?」



そう聞かれれば、「うん!」と言わない訳はない。





これからも、先生と一緒の、楽しい時間が続けばいいのに。



プールからの帰り道、先生が「本屋に寄りたい」と言ったので、そのまま大型の本屋へ直行した。



実は私も欲しい本が有ったから、それはそれでちょうどいいタイミングだったのだけど。