それから、念願のスライダーを何回も滑ったけど、何故か先生は後ろにだけ乗りたがった。

前の方が楽しいのに。

大体、胸元に当たる先生の足がくすぐったいんだよね。



これで最後だと言われて乗り込んだスライダーは、何となく緊張した。


またいつでも来れるんだけど。これが終わったら、楽しかった一日も終わるのかなぁって考えると、寂しくもある。


だけど、一旦滑り出したらもう止まらない。





最後にざぶんと深いプールに投げ出されたら、そのまま浮き上がるのが惜しくなって、プールの底まで沈んでみた。



プールの底は小さな泡でキラキラと光っている。



……なんだっけ?冬に似たような光景が見られるよね?



雪が太陽の光に当たって、輝くように舞う、あの光景。




あれに似てる。


息が苦しくなって、浮かび上がった私の目に飛び込んできたのは。



心配そうな顔をした、先生だった。