深層融解self‐tormenting

気が済むまで鏡でおかしいところを直して、それからプールサイドへと向かった。


先生はもう来ていて、白いベンチを一つ取っていてくれている。


先生はフツーに海パンだったけど、既に回りには女の人が何人か立ち止まって、先生の方を見てた。

それに思わずムッとして、私はわざとそっちに手を振った。



そんな私をを見つけるなり――――先生は固まった。




やっぱり背伸びし過ぎたかな?無難にタンキニとかにすりゃ良かったかな?



「……水着、へん?」


思いきって聞いてみた。


多分、なけなしの勇気を振り絞って聞いたような気がする。


「……いや、変じゃないけど……。お前、上に羽織るものとか持って来なかったのか?」

「持って来てない。バスタオルならあるけど……」

言うなり先生がバスタオルをバサッと私の肩に掛けた。

しかも胸元まできっちり隠して。

「胸開きすぎ。思わずそっちに目が行くだろ。……あと」

今度は先生が、少し屈んで私の首に顔を近づけた。瞬間、きりりと傷む首筋。

「……害虫避け」


もしかして。


「キスマ、つけた?」

「あったり前だろ。その水着ヤバすぎ。エロい」

エロいって、試着の時はそう思わなかったけどな。

「ね、いいから波のプール行こうよ!一番深いとこまで!」



バスタオルを脱ぎ捨てて、プールの中へじゃぶじゃぶと入った。


水は温くて、わりと気持ちいい。

「おい待てよ!!」

焦ったような先生の声がする。

それを無視して、更に奥深く進んで行ったら、いつの間にか足が水だけをきっていた。



あれ?ここ水深何メートル?



「ばっか。お前、ここ水深2メートルあんだぞ?泳げんのか?」

「しまった!!浮き輪持って来なかった!!」

「いや、そういう問題じゃねーだろ」


さすがに一人で波のプールに立ち向かうのは困難だと思い、近くにいた先生の首にしがみついた。


それだけじゃなく、溺れるのが怖くて必死に先生の足に、自分の足も絡ませたし。



「……おまっ…胸…足!」

「やだ離さない!溺れる!」

「分かってやってんのかこの小悪魔!」

二人じゃれあってるうちに、プールの波は段々高くなり、それに翻弄されて、更に奥へと流されている。

「あー。流されたー。プールサイドの方へ戻ろうよ?」

先生にしがみついたまま、遠くに見えるプールサイドを指差した。

と、その時。

先生の唇が、私のそれに触れた。

と思ったら、舌まで入ってくる。