未だ頭を抱えて踞る先生の頭を撫でた。



「せんせ、大丈夫?」


先生は苦痛に顔を歪めて「まぁ、なんとか」と、苦笑した。


「いきなりなんなんだよ。クソ兄貴」

「女の子がクソとか言うんじゃねーよ。つか、凱は現heavenの幹部や、自分の崇拝者達を止めてくれたんだろ」

「……なにを?」

「自分の妹がファントムと付き合ってる。で、そのファントムに凱が負けた。って事は、妹の彼氏は凱以上にデキる奴だぞって事。あのバトルは、宣伝みたいなもんだったと思ってる。俺はね」

「つー事は、兄貴は……?」

「少しはお前の事、考えてんじゃねーの?凱の妹の彼氏に根性なしも気合い入ってねー奴も要らねぇって事さ」



先生が言うこと、ホントかな?


私にはただ凱がバトりたいだけだったような気もするけど。


だけど、そう言った先生の顔に、陰が射しているように見えたのは、気のせいだったんだろうか……?


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