だって、一度はその道を選んだのは私自身だし、先生と一緒に居たいと願っているのも、私なんだから。


無責任に考えて行動したかと言われれば、そうかも知れないけど、後悔するような道は選びたくない。


……でも、まだ、どうすればいいのか、まだ、分からないんだ……。



「……なるほどな。て言うか、お前なんでもっと早く、それを言わねーんだよ。言ってたら、俺だって色々調べられたのに!!」


頭にこつん、と拳固が降ってきた。


「痛いなぁ!だけどさ!!……あのね、今度の夏休みの最初の一週間だけ、イタリアに行くんだけどさ。その時にお婆ちゃんに話しをしようと思ってる。好きな人と離れるのは嫌だって。それまで待ってから、先の事を考える……つもり、だよ?だから、まだ進路調査票には記入して、ないんだ」


私の気持ち、伝わったかな?

「……分かった。だけど一人で大丈夫か?」

「ん。だいじょぶ、だと思う」

思うって何だよ、って先生が私の頭をくしゃくしゃに掻いた。



「あのさ、今度の日曜の勉強会は休もうぜ」


先生がそれ以上怒りもせず、穏やかにそう言ってくれたので、少し安心した。


勝手な事言ってんじゃねぇよ、なんて言われたら悲しくなっただろうし。


先生が気を使ってくれたのには、すごく感謝したい。




それに。

勉強会がないのはラッキーだし!!