「で、お爺ちゃんが亡くなった後は、一人娘であるうちのお母さんが跡を継ぐはずだったんだけど、お母さんも早くに亡くなってしまったから……。兄貴か私に、後継者になってほしいってお婆ちゃんは言っててさ……」

「……んで、凱はあの通りだから、お前に跡を継いでほしい……ってワケ?」


先生の低い声にびくびくしながら俯いた。

「……先生に会うまでは、跡を継いでもいいや、って思ってて、お婆ちゃんには私がやってもいいよって。そう言ってたんだけど。けど、先生と出会ってからは……。離れたくないって気持ちの方が強くなっていって。………どうすればいいのか、今は…分かんない……」



最後は小声で呟くようになってしまった。


でも、絶対泣きはしない。