「……せんせ…?」

弱々しい声は、自分の声帯から出たものだと知る。


「どした?」


先生の低い声が、甘く響く。



「早く帰ってきてね」


まさか、自分が、すがるような事を言うなんて。


でも、先生には無事で帰ってきて欲しいから。


「速攻で終わらせる」


ニッと笑う先生を信じるしか、出来ることは他に無かった。