一昨日の会話を聞いてたら思わず「知らない人が聞いたら、ガチホモ系な会話に聞こえなくね?」なんて思ったけど。

そうこうしている間に、目的地の氷室峠に着いた。頂上付近では、何故か大勢の人が集まっている。

これがギャラリーってやつ?ざっと見るに100人前後、明らかにヤンチャをしていそうな男の子から、オタクっぽい人まで様々だ。DVD やカメラを回してる人までいた。



「……なんでこんなに人がいるの……?」

「……そりゃ、俺と凱だから、だろうな」


何それ。


「坂を下った辺りや、途中にもまだ大勢の見物人がいるんだぜ。ったく、俺は誰にも漏らしてねーのに。凱の方から漏れたな、今日のバトルの情報」

「……そんなに、有名だったの……?」


先生も、兄貴も。


「まぁ……。恥ずかしながら俺自身も英雄視されてた時代があったしな。その名残だろ」


私がよく知ってるはずの二人なのに、全く知らない世界を持ってる。



追い付きたくて一生懸命もがくのに、誰も気づかない、気付いてくれない。