色々と経験した初めてのコトに浮かれて、ぽーっとしていたら先生がポツリと話した。


「さすがに凱の妹だけはあるな、お前。一緒にいて飽きねぇ。今までのオンナ達なんかと比べようがねぇし」


先生がそう言うと、胸がちりりと痛んだ。


「……比べられるの、嫌だ」


だってそれは、先生が他のオンナの人と付き合ったり遊んだりしていた事実で。

確かに先生は、うちの兄貴の凱並みにカッコいいから遊んだりしてたのは簡単に想像できる。凱だって適当に遊んでるみたいだし。



それでも、だよ?



私の前で今そんな事言わないでって言うのはワガママなのかな?


「……嫉妬した?」


車外に顔を背けて肯定してる事を表現した。

すると、頭をゆるゆると優しく撫でられた。

「……今はもう、お前の事しか考えらんねーから。安心しろよ」




ギアに置いた先生の手に、自分の手を重ねる。そして、先生のその腕に頭を預けた。



「なに。お前がデレると破壊力半端ねぇな。俺を殺す気?」

「………萌え殺してやる」


ぶふ、と笑う先生の頬を思いきり抓った。