舌が動く度に、自分の声じゃないような、甘い声が漏れる。

嘘。

私、こんな自分知らない。

「ん…っ。ふっ…んん…」


自分以外の誰かに、こんな恥ずかしい声を聞かれてるかと思うと、恥ずかしさで顔が赤くなる。

だから、顔を背けて逃げようとしたのに、先生はしっかりと私の背中と腰に腕を回したまま離さない。


「や……離して……。見ちゃ、やだ……」


それに応えるように、更に深くなっていくキス。



唇は解放されてホッとしたのもつかの間、先生の舌が耳の中に侵入してきた。


ぴちゃぴちゃと耳元で聞こえる、イヤラシイ音。このまま食べられてしまうんじゃないかという錯覚。




それでも私のカラダが、熱く疼くのは、どうして?



この先のコト、期待して……この先を、カラダが欲しがってるのは、なんで、だろう……?


「気持ち、い?」


私の唇を拭いながら先生が聞いた。


こくん、と頷いた私は、先生の首に手を回した。


「まだ足りねーの?」


ふるふると首を横に振る。




これ以上やったら、私が私じゃ、なくなるような気がする。





こんな私、自分でも知らない。




その先に行ったら、きっと今までの私ではいられなくなる。



だから、まだ、嫌だ。




そう思うのに、カラダがその先を求めて疼く。


お願い。

誰か、このカラダをどうにかして?




縋るような目で先生を見つめると、困ったように笑った先生が、もう一度軽くキスをした。