深層融解self‐tormenting

先生は渋々だったけど、ようやく納得して、旅館に荷物を運び出した。


それまでは車の中で、私と先生とで帰るの帰らないのとで話し合っていたのだ。



特に先生は私の足の傷が気になる様子で、神社に行ってお祓いしてもらわないと駄目だとか何とか。



危険な目に遭いそうになったらすぐに先生に言うことと、お風呂は単独では入らず、夜中に混浴で入ること……その他諸々を約束させられて、ようやく納得した先生の手に腕を絡めて旅館に向かう。



その旅館から飛び出してきたのは、クリスだ。



「遅かったね!みんなはもう部屋に行ってるけど、二人とも何してたんだ?」



車を駐車場に置きっぱなしでチェックインもしていない私達を、クリスが不思議そうに眺めている。



説明する気力もなく疲れていた私と先生は顔を見合わせて、「……別に……」と、異口同音に呟いた。



そんな様子の私達を見てもクリスはそれ以上は追求せず、替わりに夕食の話題を持ち出した。



「この旅館の支配人さんが俺達に小宴会場を貸してくれるって言うんだ。カイ達はもうそこで飲んでるんだけど、カノン達が来たら報せて下さい、だってさ。もしかして知り合い?」



知り合い……。うーん……。


夢の中で、だけどね。