深層融解self‐tormenting

終始無言で手を繋いで、旅館へと戻る道すがら。


先生が「一泊するのは止めて、もう帰るか……」などと言い出した。


先生はまだ、ゆずが私に何かをしかけるんじゃないかって不安なの?



ゆずがこの世に存在しないって聞いた時は確かに少しゾッとしたけど、あの子が悪い子じゃないのは私には分かるんだ。


ただ、自分のお父さんとお母さんの事が心配で彷徨っていただけなんだよ。



だから、ゆずのお父さんとお母さんがあの家に戻ってさえ来れば、きっと安心していられるはず。



「……大丈夫だよ。せっかくだから、泊まろうよ。卒業記念のいい思い出になるよ」


そうだよ、こんな強烈な思い出、他には作れないや。