深層融解self‐tormenting

誰もが一瞬息を飲んだ。


確かに私の踵には、傷がついている。



夢の中で怪我をしたはずなのに、現実にこんなことって……。



あり得るの?



薄寒くなって両手で腕を擦るけど、背筋には凍り付いたような悪寒が走る。



先生の顔色も蒼白に近くて、私の肩を痛いぐらいに強く抱き締めたまま離さない。



「ここ、何か嫌な予感がする。帰ろう、華音」


先生がそう言って私の手を引いて元来た道を戻ろうとした時。



強風が吹いて、私達『だけ』を桜の花びらが包んでいた。



―――まるで、私達を、行かせまいとするかのように。