それに気づいて呆然とした。
だけど、一つだけあの夢には出てこなかった人達がいる。
夢の中で私がゆずのボールを取ってあげた海辺の辺りに、花束を投げ入れた中年の男女の二人組だけがこの世界に『紛れ込んでいる』。
どういう事なのか、さっぱり分からない。
私があんな不思議な夢を見たのも、この人達が『そこ』に花束を捧げるのも。
「おい、華音。お前どうした?さっき目を覚ましてから、なんか変だぞ?」
先生の声に、ハッとして現実に引き戻された。
「ああ、ごめん。車で寝すぎ……」
言いかけた言葉を思わず飲み込む。
先生の後ろ、5メートルぐらい離れた電柱の影に揺れた、薄茶色の髪の毛。
手にはまだあのボールを抱えている。
……ねぇ、さっきは何を言いかけたの?私にだけでも教えてよ。
‘ゆず’は私の姿を見ると、旅館の上のあの家屋の方へと駆け出した。
「ゆず!! ゆず、待って!逃げないで!」
ゆずはまだ、誰かに何かを言いたいんじゃないの?
だったらそれを、聞かせてよ。
だけど、一つだけあの夢には出てこなかった人達がいる。
夢の中で私がゆずのボールを取ってあげた海辺の辺りに、花束を投げ入れた中年の男女の二人組だけがこの世界に『紛れ込んでいる』。
どういう事なのか、さっぱり分からない。
私があんな不思議な夢を見たのも、この人達が『そこ』に花束を捧げるのも。
「おい、華音。お前どうした?さっき目を覚ましてから、なんか変だぞ?」
先生の声に、ハッとして現実に引き戻された。
「ああ、ごめん。車で寝すぎ……」
言いかけた言葉を思わず飲み込む。
先生の後ろ、5メートルぐらい離れた電柱の影に揺れた、薄茶色の髪の毛。
手にはまだあのボールを抱えている。
……ねぇ、さっきは何を言いかけたの?私にだけでも教えてよ。
‘ゆず’は私の姿を見ると、旅館の上のあの家屋の方へと駆け出した。
「ゆず!! ゆず、待って!逃げないで!」
ゆずはまだ、誰かに何かを言いたいんじゃないの?
だったらそれを、聞かせてよ。

