舗装もされていない草が生い茂った急勾配の坂を登って下を振り返ると、眼下には一面の海が広がっている。
坂を登りきっても、ゆずが立ち止まる気配はない。
歩くこと15分ぐらいで、ようやくゆずが、旅館の上に建っている古びた木造の日本家屋の中にある庭園に案内してくれた。
建物は古そうだけど手入れは行き届いているようで、花畑には色とりどりの季節の花が咲いている。
ぴかぴかに磨かれた縁側。磨りガラスの窓。近付くと、家屋からは檜の香りが漂ってくる。
この家屋は旅館からは見えないらしくて、木々で回りを囲まれていた。
ううん、違う……。
木戸の門を開けたら、桜の木が庭を取り囲むように立っているんだ。
それはもう見事な程、桜が満開に咲き誇っている。
それから、ちらちらと儚く舞い散る桜吹雪に花霞み。
まるで、そこだけが別世界のような、そんな錯覚に陥りそうだ。
「すっ…ごいね、ここ。誰の家なの?」
「ゆずとー、パパとママと、じいじのおうち!」
そっか、支配人さんの仕事に通うのに便利だから、旅館の近くに家を建てたのかな?
坂を登りきっても、ゆずが立ち止まる気配はない。
歩くこと15分ぐらいで、ようやくゆずが、旅館の上に建っている古びた木造の日本家屋の中にある庭園に案内してくれた。
建物は古そうだけど手入れは行き届いているようで、花畑には色とりどりの季節の花が咲いている。
ぴかぴかに磨かれた縁側。磨りガラスの窓。近付くと、家屋からは檜の香りが漂ってくる。
この家屋は旅館からは見えないらしくて、木々で回りを囲まれていた。
ううん、違う……。
木戸の門を開けたら、桜の木が庭を取り囲むように立っているんだ。
それはもう見事な程、桜が満開に咲き誇っている。
それから、ちらちらと儚く舞い散る桜吹雪に花霞み。
まるで、そこだけが別世界のような、そんな錯覚に陥りそうだ。
「すっ…ごいね、ここ。誰の家なの?」
「ゆずとー、パパとママと、じいじのおうち!」
そっか、支配人さんの仕事に通うのに便利だから、旅館の近くに家を建てたのかな?

