彼は、それはそれは痛そうに額を抑えて踞っている。


「……お前ぇら何、邪魔してくれちゃってんの……?」

「カノンの悲鳴が聞こえるって、凱が言うから、慌てて来てみたんだけど……?」




多分、クリスは騙されただけだろう。その純真な瞳がそれを物語っている。コイツらみたいに腐ってねー。



「ああ、華音なら大丈夫だ。ちょっと寝惚けてベッドから落ちただけだから。つー訳で花札もDVD も要らねーから帰れ」


それを見て笑い転げるこの馬鹿共。



「いやいや、櫻くんも混ざりたいでしょ。折角のクリスマスなんだから、皆でカードゲームか何かやろうよ」

「や、この部屋セールスお断りなんで」

「華音もどうせ起きてるんだろ?だったらロフトに来ればいいじゃん。温和オネーサン達も待ってるし?」


てめ、凱!!余計な事言ってんじゃねぇ!!寝たふりしてる華音が……。


「……煩い!!」


ほら見ろ、釣られてきた。


それに、姉さん達まで巻き込んだのか。呆れた奴等だ。


「……人生ゲームならやる」


華音の目が据わってる。これはもう開き直ったな。