深層融解self‐tormenting

「……怪しい。ちょっとそれ見せろ」

「やだ!」



華音は慌ててキャリーバッグを後ろに隠すが、もう遅い。

つーか、自分から《何か隠してます》雰囲気出して暴露するってどうよ?


「あ…あの!クリスマスプレゼントがね、入ってるから、見られたくないかな、ってね」

「ほー。じゃ、それ見せて?」



真っ赤になって俯く華音の様子から、隠したいのはそれでは無いだろうと確信する。


勘に従って、俺は素早く動いて華音からキャリーバッグを奪い取った。

「みっ…見るなあぁぁ!」


今度は顔面を蒼白にした華音を無視して、バッグの蓋を開けた。



そこに入っていたのは……。



文化祭で着た、あのゴスロリ衣装。

うん、これは持ってこいって言った。

でも、その隣の箱は……?


「何、これがクリスマスプレゼント?」

「ばっ!絶対に違うから!開けないで!」


焦る華音がつい可愛くて、ついからかい半分にその箱の蓋を取ってみた。


その中身はと言えば。

「え……?なにこれ?」

「……見ないでって言ったのに……」


どう見ても、下着、だよな?

……それも、かなり際どくないか?


待て待て。これの着せ方っつーか、着たところのイメージが膨らまないんだけど。


「……これがクリスマスプレゼントかぁ」

「ちっがうから!」



暴れる華音を無理矢理ベッドに連れて行って、服を脱がしにかかる。



「…お前…。ちょっとこれ着てみ?」

「やだやだ!やっぱり持ってくるんじゃなかった!」

「いいから着てみろ」

「分かった!分かったから、一人で着れるから!先生はあっち向いてて!」

華音が暴れるから、引っ剥がすように衣服を脱がせたが、あわや下着も…というところで、部屋の隅に逃げられた。



「お前、勿論この服も着るんだよな?」


下着姿で上目遣いに睨んでくる華音に、もう理性はぶっ飛ぶ寸前なんですけど。