深層融解self‐tormenting

後に残されたのは、先生と、私。



「……ようやくアイツが納得してくれて助かった。つーか限界。早く部屋に帰るぞ」


先生は私を助手席に押し込め、自分も運転席に戻った。



その直後、いきなり後頭部に手を回されて、強引にキスされてしまう。




久し振りの、先生のキス。



口内に入り込んでくるその感触に酔わされて、自分の体が疼いて来るのが分かる。

堪えきれず、自分から先生の首に手を回した。


「我慢出来なくなった?」

こくっと頷いたのは、きっと久し振りの先生のキスにあてられたから。だから……。


「あったかいとこ、行きたい」

そう言って、先生の胸に顔を埋めてぎゅう、と広い背中を抱き締めた。



「まーた俺の忍耐試してんのか、この小悪魔」

先生がそう言って、笑う。

「部屋は俺と同室な」

「ん」

車を走らせながら、先生が言ってきた言葉に、素直に頷いた。


途中、スタートラインを見てみると、鷹嘴先生の前で兄貴と春臣がのたうち回っているのが見える。

クリスは苦笑いして、それを眺めている。


「……何してんの、あの3人」

呆れてしまって声をかける気にもなれず、先生に聞くと、「賭けてたんだよ、あの3人。俺とクリス、どっちが勝つかに」なんて言い出す始末。