隣に座った温和さんが、「華音ちゃんにケーキを回して下さい」そう言って、ケーキを延べてくれた。


ケーキにはHappy Birthdayの字がチョコで書かれていて、嬉しくて温和さんに抱きついた。

そしたらこっそり温和さんが、「蒼季がね、前々から準備していたのよ。実はね」と、教えてくれた。


先生ってば。

もし受験に受かってなかったら、それどころじゃなかったかも知れないのに。


ケーキも食べ終わり、各自部屋に戻ろうか、って話になったけど……。


あの、本当に私は誰と同室なのかな?


温和さんと安藤先生は、休憩室に設えてあるロフトで休んでいた。私もそこへ行こうと歩き出した時、腕を先生に掴まれた。


「上に厚手のニットとコートを着てこい。帽子もな。外に出るぞ」


それだけ言うと、自分に割り当てられてる部屋に行ってしまった。


クリスも随分厚着をして、既にポーチに出て私達を待っている。

「さー本番。これからこれから」

かなり酔っ払った春臣、そして鷹嘴先生と兄貴も着いて行く気で張り切っている。