夕食は、ペンションのオーナー夫妻が自ら作った、豪華ではないけれどとても手の込んだ料理を出してくれた。



温かいクラムチャウダー、オードブルの盛り合わせ、自家製野菜のサラダ、伊勢エビのコキール、地元牛のステーキ、手作りのパン、それに白いご飯。



デザートにはアイスクリームを添えたアップルパイ。



ビールや日本酒、それにワインは樽で出してくれた。先生はお酒は飲んでいない様子。



食事も進み、温和さんと一緒にデザートをつついていたら、オーナー夫妻が大きな皿を抱えて食堂に入ってきた。


「今日お泊まりのお客様で、お誕生日を迎えられた方がいらっしゃるとの事で、ささやかですがお誕生日のケーキをご用意致しました。クリスマスも兼ねて、ですが、是非お受け取り下さい」

そしてにこやかに一礼した後、食堂から出ていった。