今日泊まるのは、ホテルとかじゃなく、個人経営の小さなペンションだった。


外見はログウッドだけど、中身はちゃんと宿泊出来るような造りになっていて、それがとても感じが良かった。

小さなペンションだから、泊まり客は私達で満杯のようだ。

という事は、ペンション貸し切りなの?やった、なんて贅沢なんだろう!


「部屋は、温和さんと一緒?」


温和さんに聞いたら、「私は安藤さんと一緒よ」と、意味有りげな顔で言われてしまう。


……ん?この場合、安藤先生と温和さんが、そういう仲だと思った方が良いのかな?



「……華音は俺と一緒」

無理矢理先生に、部屋に連れて行かれる所を、クリスが止めた。

「何言ってんの?俺の部屋だから、カノンは」


バチィっと火花を散らすこの二人。


「……おい。今日の夜、分かってんだろうな!?」

と、先生がクリスを挑発すれば、クリスも負けじと言い返す。

「アンタこそ、夏タイヤとかで来たんじゃねーの?」


その言葉で、私の誕生日に、この二人が峠攻めで勝負をする約束をしていた事を、今になってようやく思い出した。


「ね……。今日の夜さ、車で、アレやるの?」

恐々、先生とクリスの顔を見比べた。



何故なら。