やがてタクシーは、家の前を通りすぎ……。春臣の家の前で停まった。


「……なんで、春臣の家?」

破られた袖口から入る風が、12月の寒さを物語っている。

「ここで落ち合う事にしてる。ほら」

先生に言われた方を見ると、車のヘッドライトが車庫の中に消えていった。


春臣達が、帰ってきたんだ……。

「そっちは!?無事か!?」

春臣が、私を見て安心したように溜め息をついた。

「まず、家の中で話そうや」

そう言いながら、玄関のドアの鍵を開けた。



見てみると、兄貴の顔が少し腫れてる以外は、皆大丈夫そうだった。



先生に背中を抱き抱えられて、春臣の家の居間に入って座らせられる。


横には先生。その反対側の私の横に、クリスが座った。