「昨日は……カイがよく行く整備工場に連れて行って貰った。クルマのメンテナンスをしておきたくて、整備工場をカイに紹介するよう頼んでたから」
新しいタバコをもう一本取り出して、それを口にくわえた鷹嘴先生が、更にクリスに質問してきた。
「整備工場…ね。なるほど。それから奴とは何時頃別れた?」
「多分、3時ぐらい?」
「……整備工場で、凱は何か聞いてなかったか?例えば……外国人から車体の整備や解体の依頼を受けた事があるか、とか?」
「ああ。確かにそんな事、聞いてたな」
鷹嘴先生は、クリスにそこまで聞くと、新しいタバコに火をつけて、一息吸って吐き出した。
「……多分暫く凱は帰らねぇな」
ちょっと待ってくんない!?
「ねぇ。その相手って、どんなの?暴力団とかそういう系!?」
だとしたら、ホントにヤバイんじゃないよ!?
「……いや、そっちじゃない。が、もっと質が悪い。凱は放っておいても大丈夫だが、雲母は自分の身を守れねぇ。今回ばかりは相手が違う。大人しく守られてろ」
そしてクリスの方を向き直して、更に念を入れて注意した。
「……くどいようだが、絶対に雲母から目を離すな」
私達が理科準備室を辞した時には、すっかり日が暮れて、辺りは薄暗闇に包まれかけていた。
それからというもの、3週間程は何事もなく過ぎていった。春臣や鷹嘴先生の脅しに屈した訳では無いんだけど、これ以上深入りして自分から痛い目に遇うのも御免だ。
新しいタバコをもう一本取り出して、それを口にくわえた鷹嘴先生が、更にクリスに質問してきた。
「整備工場…ね。なるほど。それから奴とは何時頃別れた?」
「多分、3時ぐらい?」
「……整備工場で、凱は何か聞いてなかったか?例えば……外国人から車体の整備や解体の依頼を受けた事があるか、とか?」
「ああ。確かにそんな事、聞いてたな」
鷹嘴先生は、クリスにそこまで聞くと、新しいタバコに火をつけて、一息吸って吐き出した。
「……多分暫く凱は帰らねぇな」
ちょっと待ってくんない!?
「ねぇ。その相手って、どんなの?暴力団とかそういう系!?」
だとしたら、ホントにヤバイんじゃないよ!?
「……いや、そっちじゃない。が、もっと質が悪い。凱は放っておいても大丈夫だが、雲母は自分の身を守れねぇ。今回ばかりは相手が違う。大人しく守られてろ」
そしてクリスの方を向き直して、更に念を入れて注意した。
「……くどいようだが、絶対に雲母から目を離すな」
私達が理科準備室を辞した時には、すっかり日が暮れて、辺りは薄暗闇に包まれかけていた。
それからというもの、3週間程は何事もなく過ぎていった。春臣や鷹嘴先生の脅しに屈した訳では無いんだけど、これ以上深入りして自分から痛い目に遇うのも御免だ。

