次の日。

入試の合否通知にガクブルで登校した私を待っていたのは、昨日の事で鷹嘴先生とお近づきになれた事に浮かれた舞だった。


「昨日、めっちゃ怖かったぁ!!華音、大丈夫だった!?」


ええ、ええ。大丈夫じゃありませんでしたよ。


昨日の夜は先生とクリス、春臣にまで事情を聞かれた上でこってり絞られましたのでね!


「でもあの後さぁ、鷹嘴先生が家まで送ってくれてさ、なんつーか…口止め、みたいな感じで……」

「……みたいな感じで?」


嫌だ。この先は聞かない方がいい気がする。


「……キス…してくれたのぉ!」



………舞、アンタそれ絶対騙されてるよ。っていうか、鷹嘴先生、とんでもない悪徳教師だな。



舞には「あんまり浮かれすぎないようにね」って苦笑しながらそう言ってやったけど。



昨日は、蒼季先生とクリスと春臣に、口を揃えて言われたのだ。


「華音を軟禁した奴等が、凱に対して敵対行動を取るかも知れない。だから、あんまり目だった事はするな」と。


今までだって、兄貴に対する報復が、妹の私にまで飛び火してきた事はよくあった。

だから、客観視して「大丈夫じゃない?」って、軽く言ったんだけど。