にしても、それをさらっと言っちゃう辺り、鷹嘴先生もタダモノではなかろう。




「……でさ。舞ちゃんは鷹嘴に任せて良いとして、華音?お前、俺に怒られるのと、櫻くんに怒られるの、どっちがいーい?」

見ると、春臣がいつもとは違う剣呑な光を目に宿らせていて。だがしかし、蒼季先生に今日の事がバレたら、ただでは済まない訳で。

「直帰コースでお願いします」


逃げるが勝ちさ。へへっ。



なーんて思って春臣に送られて家の玄関を開けると、そこにいたのは……―――。



先生と、クリス。


後ろには、春臣。


「華音!!お前今までどこに行ってた!?携帯繋がらねぇし!!早めに出張切り上げて来てみれば!!」と、怒りも露に蒼季先生が言う。


「カノン、事件に巻き込まれたんじゃないかって、心配してた……」クリスは、泣きそうな顔で抱きついて来るし。

「アブなーい遊びをしてきたんだよね?」と、春臣が私を谷底に突き落とせば、前の二人は鬼のような形相で私を睨んだ。


やっぱり鷹嘴先生には絶対に近寄るまいと、固く心に誓って夜は更けていった……。