深層融解self‐tormenting

「食べ放題!?」

満面の笑みでアキせんせーの顔を見上げて覗きこんだら、何故かアキせんせーは、真っ赤な顔を手で覆い隠していた。


「おま…!こっち見んな!!」


はて?熱でもあるのか?



「……好きなの、二つだけなら食っていい。あと、パフェは付けてもいい」



そして戦場をファミレスへと移し、今に至る。


アキせんせー太っ腹!!やふー!!早速ステーキとオムライスをオーダーしちゃったもんね。



「本当にごめんなさいね、華音ちゃん。私の車で来れば良かったのに、蒼季が聞かないの。俺が車を出すって」

「人気アトラクションみたいなスリルあったろ?良かったな」


もうコイツシバいてやる!!


とか思ってたら、料理が運ばれてきた。

みんな、無言でもぐもぐ……。


「……お前さ、今日は珍しくスカートなんだな」




全くの不意打ち。

アキせんせーが、私の格好をじーっと見つめている。なんだか居心地悪すぎる。

「……そりゃ女の子だし。フツーに履くよ、スカートでも」



何か文句でも?

「……いや、……似合ってる」

「っ………は?」


耳がおかしくなったんだろうか?


顔を真っ赤にして私から目を背けたアキせんせーに疑問。


今日の格好、変かな?


いつもは着ない、ふわふわシフォンのスカート。薄手の春らしいニット。


温和さんに合わせて、滅多に着ない《お嬢様系》にコーデしてきたのに。