深層融解self‐tormenting

となれば、今日中に《アレ》を買うしかないではないか。


「んー。クリスマスプレゼント。二人分の。買いに行く時間がないからさ。今のうちに、買っとこうかなぁ……ってさ」

「あーあー。モテるオンナは違いマスね!二人分ですか!」


からかい半分僻み半分の舞が、じとりと横目で私を睨んだ。

だってしょーがないじゃん。先生もクリスも、二人とも大事なんだから。

でも、やっぱり先生の方が、異性として好きだけど。

「で、何を買うのか決めてんの?」

「……それを決めてないから、困ってる」


とは言っても、先生へのプレゼントにはネクタイをあげようと考えては、いた。

だから、それはゆっくり選ぶ事にして。



問題は、クリスだ。



クリスには何をあげれば良いのかな……?


「タメぐらいの男の子ってさ、プレゼントに、何が欲しいのかな?」

舞ならこう言うの、よく知ってそう。だから直球で舞に聞いてみた。


「えー?相手はクリスでしょ?アンタが知らないとこで、色々貰ってるみたいだよ?学校の女子達に。靴箱とか、クリスへのプレゼントで溢れてるの知ってた?」


いえ、全く。


そうなのか……。私が知らない間にそんな事になってたのか。

ちょっと、胸がチクリと傷んだ。