明日は推薦入試の合格発表の日。


日曜日に当たる今日、先生は学術発表会っていうのに出席するために遠方へ出張している。

だから今週は先生とのデートは、なし。至極残念だ。


そしてクリスは、兄貴の凱に誘われて、兄貴や遊馬達とどこかに出掛けてしまった。


久しぶりに一人のゆっくりした時間を楽しもうと……。


楽しめるわけないじゃん!!!!



だって、明日は合格発表だよ!?駄目だったらまた受け直すんだよ!?


また受験勉強を最初からやんなきゃいけないんだよ!!



緊張して体がガクガク震えてくる。

うー…。どうにかして、この緊張を弛める方法はないかなぁ…。


一人、家で悶々と頭を抱えていたら、携帯が鳴った。相手は舞だった。


「もしー！舞ぃぃぃ!!」


ほとんど涙声になって、舞からの電話に出ると、舞は苦笑して『何、どしたの？』と、呆れたように言った。


私が、今家に一人でいて、珍しくナーバスな状態になっている事を知った舞は、さらりと私を誘い出した。


「今さー、鷹嘴先生を見つけたんだよねー。駅ナカのコーヒーショップの中。暇なら、ちょっと付き合ってよ」


相手をしてくれる人が誰もいなくて寂しかった私は、深く考えずに舞に付き合う事にした。