「何でお前、最近この山にしか来ねーんだよ」



クリスも笑って、さぁ、と肩を竦めた。



「華音が受験勉強に必死だったから、最近は家の中で煩くしないようにしてて、で、車でいつもここに来てたんだ。そしたら、アキも……」
「……男とこんなとこ来ても、楽しくないんだけど。で、今日は何か話があるんだろ?」


先生がクリスの顔を見て、先を促した。


「華音の誕生日。松山の樹海ラインで、夜の10時。その辺りなら、積雪も結構な量になってるだろ?」

「……分かった。華音の誕生日………。ね」




えぇ!!ちょっと待ってよ!!



「私の誕生日って!」


だけど私を見る二人の目は如何にも『それがどうした?』なんて言い出しそうな感じだ。


本気でそう思ってんの、二人とも!?


「12月24日だよな、お前の誕生日」

「クリスマスプレゼントは、カノンからの勝利のキスがいい」



ああ、もう何も言いません。