「……オイ『お客様』付け忘れてんぞ?クソガキ」

「お前は客じゃない。虫だ。帰れ」


虫!?虫って言われた、俺!?


コイツマジで泣かす!


「華音お嬢様をお持ち帰りしたい。ちょっとその辺歩こ……」

「却下だ。カノンはこの教室からは一歩も出さない。俺のお嬢様だから」



ふざけんな!!俺のだ!お前のじゃねぇ!



「……あのさぁ、心の声が駄々漏れなんだよね、櫻くん。『ああこれ脱がせたい』の辺りから。ちょっとどうにかしてくんない?」

「え、マジで?」

「お前らもう教師の恥を晒す前に帰れ。雲母も、もういいぞ」

「……だな。蒼季が墓穴を掘る前に、退散した方が良さそうだ」



見ると華音が真っ赤になって、しかも涙目で俺を睨んでいる。

だから馬鹿、その服着て、それやったら逆効果だっつの。

今ここで犯すぞ。



「やっぱアンタ出てって。変態お断り」

クソガキが俺のネクタイを引っ張って、外に連れ出そうとするのから、俺は必死に抵抗した。


「最後まで居座ってやる」


開き直ってそう宣言すると、華音が盛大に溜め息をついた。


「せんせ……。今度の勉強会で、これ着て見せたげるから、今日は……帰ろ?」


俺の耳元で小声に囁く華音の言葉に気を良くして、俺は不承不承立ち上がった。


絶対可愛がってやるから、次に会う時には、その服絶対持ってこいよ。