とんだ性悪教師だぜ。

さすが元チームのアタマ張ってただけはあって、悪巧みにかけちゃ右に出るやつはいないんだろーな。


「今度の文化祭、ウチのクラスの出し物は、雲母とクリスが目玉らしい。という事しか言えんな」

鎌崎さんはそう言ってこの話題を打ちきりたがった。


「つー事は、文化祭に来いって事か?」


濱口さんが、俺を見て「お前、行くんだろ?」と、確認する。


勿論行くけど。

華音だけ見に行くけど、何か問題でも?



「なら、俺達も乗せてけよ」



は?アンタらも一緒に行く気ですか!?俺の邪魔する気ですか!?



「いやさ…。蒼季がこんだけベタ惚れしてる女の子なんて、今までいなかっただろ?見てみたいよな、安藤」

「見てみたいな。『オンナは日替わり』みたいに言ってた蒼季がこうも変わるんだから、挨拶ぐらいしておかないとな」


いらねぇから、そんな挨拶。

アンタら華音に余計な事吹き込む気だろ?勘弁してくれよ。

遊んでた時代の話なんかされたら俺立ち直れないんだけど!!


「じゃ、乗り合いで櫻くんの車と、俺の車と出すか。待ち合わせは鎌崎のクラスで」


ニタニタ笑って俺の顔を見ているコイツらに、ビールをぶっかけてやりたい。


「了解しましたー!!」「じゃあ9時に」「了解」「道間違うなよ」


何も便乗して来る事ないじゃん。ちっ、うぜぇ。