思い出したかのようにガハガハと笑う鎌崎さんを、怪訝に見遣った。

何を思い出してるんだ、何を。



「気になるなら来りゃいいだろ?」



ニヤニヤ笑っていた鷹嘴さんが俺に顎をしゃくる。



「今度の日曜日。早く来ねーと、あのイタリアのガキに良いようにされちまうぜ?」



それだけは御免被る。



「あのクリスってやつ、学校ではどうなんですかね?」


俺としては、アイツが学校で華音にベタベタしてないか、ソイツを探っておきたかった。


まさかアイツ、抜け駆けして華音にあーんな事やこーんな事をしてる訳じゃないよな!?


それだけは嫌だ。

だから、鎌崎さんや鷹嘴さんに学校でのアイツの情報を少しでも得ておきたかったのに。



「授業態度は至って真面目だよ。歴史なんか真摯に聞いてる」と、真剣な顔で答える鎌崎さん。


「物理の時も自分から質問したりしてくるな。真面目なヤツよ、クリス君」と、ニヤニヤ笑いながら答える鷹嘴さん。



………鎌崎さんは俺の質問の意味を分からないでKY答えただけだが、鷹嘴さん、アンタ俺の質問の意図、絶対分かってた筈だよな!?それで、そう答えちゃう訳!?